内容紹介
認知症のケアマネジメントでは,本人のニーズをいかに捉えることができるかがすべてといっても過言ではないであろう.ニーズの考え方や定義はさまざまであり,認知症といっても,一概にくくることはできないが,少なくとも本人が適切に意思表示できにくいという大前提を常に頭においておく必要がある.だからこそ共通の視点をもつことが重要なのである……つまり,アセスメントとはスタッフが共通の物差しで対象者を判断するための手段なのである.(編者「はしがき」より)
目次
はじめに
日本認知症ケア学会教科書編纂委員会
執筆者一覧
第1章 認知症の人のためのケアマネジメント
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.ケアマネジメントの基本
1.ケアマネジメントの目的
1)コミュニテイ・ケアの推進
2)生活の支援
3)QOLの向上
4)コストのコントロール
2.ケアマネジメントの構成要素
Ⅲ.ケアマネジメントの過程
1.ケースの発見
2.スクリーニング
3.インテーク
4.アセスメント
5.ケース目標の設定とケアプラン作成
6.ケアプランの実施
7.フォローアップ
8.終 結
Ⅳ.ケアマネジメントにおけるアセスメントの特徴
1.アセスメントの意味と目的
2.アセスメントの方法
3.集めた情報からの生活課題のとらえ方
4.アセスメントでの原則
Ⅴ.ケアプランの作成・実施の特徴
1.ケアプランの意義
2.ケアプランの作成
3.ケアプランの実施
Ⅵ.まとめ:ケアマネジメントの特徴
1.調整(coordination)機能による生活の維持・向上への支援
2.ケアプランによる計画的な支援
3.価値・知識・技術による支援
4.チームアプローチによる支援
5.セルフケア,インフォーマル・サポート,フォーマル・サービスでの生活支援
第2章 認知症の人のためのアセスメントとはなにか
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.認知症を理解するということ
1.人を理解するということ
2.認知症の「病気」の理解と「人」の理解
Ⅲ.アセスメントの基本的考え方
1.人に対するアセスメントとは
2.信頼できるアセスメントツールとは
Ⅳ.認知症の人に対するアセスメントの目的
1.なにをアセスメントするのか
2.何のためのアセスメントなのか
第3章 認知症の診断と治療
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.認知症であるかどうかの診断
1.正常老化によるもの忘れとの鑑別
2.うつ病によるもの忘れとの鑑別
3.せん妄状態との鑑別
Ⅲ.認知症の原因疾患の鑑別と疾患別の治療
1.治療可能な認知症
2.予防可能な認知症
3.根本的な治療が困難な認知症
1)アルツハイマー病
2)レビー小体型認知症
3)ピック病
Ⅳ.おわりに
第4章 認知症の原因疾患別特徴
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.疾患・症状別ケア
1.アルツハイマー型認知症(ATD)
1)第Ⅰ病期(発症後1~3年)の症状とケア
2)第Ⅱ病期(発症後2~数年)の症状とケア
3)第Ⅲ病期(発症後8~10年以上)の症状とケア
4)終末期(ターミナル)の症状とケア
2.血管性認知症
3.レビー小体型認知症
1)幻 視
2)妄 想
3)パーキンソン症候などの身体的な症状
4)薬物に対する過敏性
4.前頭側頭葉変性症
1)脱抑制
2)常同行動
3)興奮・攻撃性
4)暴力行為
5)自発性の低下(不精)
6)他人への無関心
7)食行動の異常
Ⅲ.おわりに
第5章 認知症の人に用いられるアセスメントツール
Ⅰ.認知症の人に用いられるアセスメントツール
Ⅱ.アセスメントツールの概要
1.アセスメントの対象と開発の目的
2.アセスメントツールの構成
3.アセスメントに要する観察期間
Ⅲ.アセスメントツールの比較
1.含まれているアセスメント項目
2.ケアプラン作成のための課題の焦点化の流れ
1)「認知」のアセスメント情報から課題の焦点化の流れ
2)「習慣」のアセスメント情報から課題の焦点化の流れ
Ⅳ.認知症の人にアセスメントツールを用いるときに留意すべきこと
1.アセスメントできる領域を知る
2.アセスメントツールが導く方向性を知る
3.認知症の人の状態によってアセスメントツールを選択する
第6章 認知症の人のアセスメントとケアプランに活かすICFの考え方
Ⅰ.認知症の人も生涯発達しながら自己実現を目指す
Ⅱ.国際生活機能分類ICFの視点とはなにか
1.生活機能と障害
2.生活機能と障害に影響を与える要素;背景因子
1)環境因子
2)個人因子
3.ICFの構成要素間の相互作用
4.障害を克服するための医学モデルと社会モデル
1)医学モデル
2)社会モデル
3)医学モデルと社会モデルの統合
5.ICFの視点を認知症の人のアセスメントとケアプランに活かす
1)アセスメントとケアプランの基本的思考プロセス
2)アセスメントとケアプランの基本的思考プロセスにICFの視点を活かす
第7章 アセスメントからケアプラン作成へ
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.共通の視点と解釈
1.健康への視点
1)健やかさをみる
2)栄養状態をみる
3)排泄状態をみる
2.安全への視点
1)環境をながめる
2)対象者をながめる
3)支援側の体制をながめる
3.自立支援への視点
1)日常生活動作
2)活動・休息・睡眠のバランスをみる
3)環境の機能性
4.安心の視点
1)感覚・知覚をみる
2)認知症の状態をみる
3)ストレスをみる
4)環境の快適性をみる
5)コミュニケーション・関係性をみる
5.個別性への視点
1)個別性をみる
2)性をみる
3)価値および信念をみる
4)自己の考え方やとらえ方をみる
6.支援体制への視点
1)家族の介護力をみる
2)地域とのつながりをみる
3)施設・事業所の支援をみる
Ⅲ.課題の抽出
1.健康への視点
2.安全への視点
3.自立支援への視点
4.安心への領域
5.個別性への視点
6.支援体制への視点
Ⅳ.ケアカンファレンス
1.カンファレンス目的
2.ケアカンファレンス開催にあたって
Ⅴ.ケアプラン作成の実際
1.総合的援助方針
2.課題の表現,とらえ方
3.目標設定
4.サービス内容(具体策)
5.モニタリング
1)目標は達成されたか,本人の変化状況
2)ケアは効果的に進められたか
3)利用者の満足度
4)ケアプランの修正箇所
第8章 認知症ケアの事例
第8-1章 レビー小体型認知症への早期介入事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心の領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題抽出
Ⅳ.経 過
Ⅴ.評 価
第8-2章 認知症の夫婦の在宅生活を継続支援する事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心の領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.経 過
1.「(4)転倒への注意をもつことで,転倒しない可能性がある」について
2.「(6)外出など気分転換により,現在の不安な気持ちを軽減したい」について
Ⅳ.評 価
第8-3章 支援体制を整えBPSDと糖尿病を安定させた事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-4章 「いままでどおりの生活」が実現した事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-5章 グループホームで人間関係の再構築を行えた事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.6領域でのアセスメントのまとめ
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-6章 グループホームでのターミナルケア事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.ターミナルケアを進めていくうえで;グループホームのバックグラウンド
1.ケア理念
2.周囲の環境
3.職員体制
4.日常の健康管理
5.ターミナルの体制
Ⅲ.ターミナルケアの決意まで
Ⅳ.ターミナルケアの実際
1.ターミナル準備~開始期(平成14年2月~9月)
2.ターミナル急変出現期(平成15年3月~4月)
Ⅴ.ターミナル末期
1.アセスメント概要
1)健康領域
2)安全領域
3)自立支援領域
4)安心領域
5)個別性領域
6)支援体制領域
2.ターミナル末期(平成15年4月:ケアプランに沿って)
Ⅵ.旅立ち;ターミナル臨死期(5月3日)
Ⅶ.本事例の評価
索 引
日本認知症ケア学会教科書編纂委員会
執筆者一覧
第1章 認知症の人のためのケアマネジメント
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.ケアマネジメントの基本
1.ケアマネジメントの目的
1)コミュニテイ・ケアの推進
2)生活の支援
3)QOLの向上
4)コストのコントロール
2.ケアマネジメントの構成要素
Ⅲ.ケアマネジメントの過程
1.ケースの発見
2.スクリーニング
3.インテーク
4.アセスメント
5.ケース目標の設定とケアプラン作成
6.ケアプランの実施
7.フォローアップ
8.終 結
Ⅳ.ケアマネジメントにおけるアセスメントの特徴
1.アセスメントの意味と目的
2.アセスメントの方法
3.集めた情報からの生活課題のとらえ方
4.アセスメントでの原則
Ⅴ.ケアプランの作成・実施の特徴
1.ケアプランの意義
2.ケアプランの作成
3.ケアプランの実施
Ⅵ.まとめ:ケアマネジメントの特徴
1.調整(coordination)機能による生活の維持・向上への支援
2.ケアプランによる計画的な支援
3.価値・知識・技術による支援
4.チームアプローチによる支援
5.セルフケア,インフォーマル・サポート,フォーマル・サービスでの生活支援
第2章 認知症の人のためのアセスメントとはなにか
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.認知症を理解するということ
1.人を理解するということ
2.認知症の「病気」の理解と「人」の理解
Ⅲ.アセスメントの基本的考え方
1.人に対するアセスメントとは
2.信頼できるアセスメントツールとは
Ⅳ.認知症の人に対するアセスメントの目的
1.なにをアセスメントするのか
2.何のためのアセスメントなのか
第3章 認知症の診断と治療
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.認知症であるかどうかの診断
1.正常老化によるもの忘れとの鑑別
2.うつ病によるもの忘れとの鑑別
3.せん妄状態との鑑別
Ⅲ.認知症の原因疾患の鑑別と疾患別の治療
1.治療可能な認知症
2.予防可能な認知症
3.根本的な治療が困難な認知症
1)アルツハイマー病
2)レビー小体型認知症
3)ピック病
Ⅳ.おわりに
第4章 認知症の原因疾患別特徴
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.疾患・症状別ケア
1.アルツハイマー型認知症(ATD)
1)第Ⅰ病期(発症後1~3年)の症状とケア
2)第Ⅱ病期(発症後2~数年)の症状とケア
3)第Ⅲ病期(発症後8~10年以上)の症状とケア
4)終末期(ターミナル)の症状とケア
2.血管性認知症
3.レビー小体型認知症
1)幻 視
2)妄 想
3)パーキンソン症候などの身体的な症状
4)薬物に対する過敏性
4.前頭側頭葉変性症
1)脱抑制
2)常同行動
3)興奮・攻撃性
4)暴力行為
5)自発性の低下(不精)
6)他人への無関心
7)食行動の異常
Ⅲ.おわりに
第5章 認知症の人に用いられるアセスメントツール
Ⅰ.認知症の人に用いられるアセスメントツール
Ⅱ.アセスメントツールの概要
1.アセスメントの対象と開発の目的
2.アセスメントツールの構成
3.アセスメントに要する観察期間
Ⅲ.アセスメントツールの比較
1.含まれているアセスメント項目
2.ケアプラン作成のための課題の焦点化の流れ
1)「認知」のアセスメント情報から課題の焦点化の流れ
2)「習慣」のアセスメント情報から課題の焦点化の流れ
Ⅳ.認知症の人にアセスメントツールを用いるときに留意すべきこと
1.アセスメントできる領域を知る
2.アセスメントツールが導く方向性を知る
3.認知症の人の状態によってアセスメントツールを選択する
第6章 認知症の人のアセスメントとケアプランに活かすICFの考え方
Ⅰ.認知症の人も生涯発達しながら自己実現を目指す
Ⅱ.国際生活機能分類ICFの視点とはなにか
1.生活機能と障害
2.生活機能と障害に影響を与える要素;背景因子
1)環境因子
2)個人因子
3.ICFの構成要素間の相互作用
4.障害を克服するための医学モデルと社会モデル
1)医学モデル
2)社会モデル
3)医学モデルと社会モデルの統合
5.ICFの視点を認知症の人のアセスメントとケアプランに活かす
1)アセスメントとケアプランの基本的思考プロセス
2)アセスメントとケアプランの基本的思考プロセスにICFの視点を活かす
第7章 アセスメントからケアプラン作成へ
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.共通の視点と解釈
1.健康への視点
1)健やかさをみる
2)栄養状態をみる
3)排泄状態をみる
2.安全への視点
1)環境をながめる
2)対象者をながめる
3)支援側の体制をながめる
3.自立支援への視点
1)日常生活動作
2)活動・休息・睡眠のバランスをみる
3)環境の機能性
4.安心の視点
1)感覚・知覚をみる
2)認知症の状態をみる
3)ストレスをみる
4)環境の快適性をみる
5)コミュニケーション・関係性をみる
5.個別性への視点
1)個別性をみる
2)性をみる
3)価値および信念をみる
4)自己の考え方やとらえ方をみる
6.支援体制への視点
1)家族の介護力をみる
2)地域とのつながりをみる
3)施設・事業所の支援をみる
Ⅲ.課題の抽出
1.健康への視点
2.安全への視点
3.自立支援への視点
4.安心への領域
5.個別性への視点
6.支援体制への視点
Ⅳ.ケアカンファレンス
1.カンファレンス目的
2.ケアカンファレンス開催にあたって
Ⅴ.ケアプラン作成の実際
1.総合的援助方針
2.課題の表現,とらえ方
3.目標設定
4.サービス内容(具体策)
5.モニタリング
1)目標は達成されたか,本人の変化状況
2)ケアは効果的に進められたか
3)利用者の満足度
4)ケアプランの修正箇所
第8章 認知症ケアの事例
第8-1章 レビー小体型認知症への早期介入事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心の領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題抽出
Ⅳ.経 過
Ⅴ.評 価
第8-2章 認知症の夫婦の在宅生活を継続支援する事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心の領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.経 過
1.「(4)転倒への注意をもつことで,転倒しない可能性がある」について
2.「(6)外出など気分転換により,現在の不安な気持ちを軽減したい」について
Ⅳ.評 価
第8-3章 支援体制を整えBPSDと糖尿病を安定させた事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-4章 「いままでどおりの生活」が実現した事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.アセスメントの概要
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-5章 グループホームで人間関係の再構築を行えた事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.6領域でのアセスメントのまとめ
1.健康領域
2.安全領域
3.自立支援領域
4.安心領域
5.個別性領域
6.支援体制領域
Ⅲ.課題の抽出
Ⅳ.ケアの実際
Ⅴ.評 価
第8-6章 グループホームでのターミナルケア事例
Ⅰ.事例紹介
Ⅱ.ターミナルケアを進めていくうえで;グループホームのバックグラウンド
1.ケア理念
2.周囲の環境
3.職員体制
4.日常の健康管理
5.ターミナルの体制
Ⅲ.ターミナルケアの決意まで
Ⅳ.ターミナルケアの実際
1.ターミナル準備~開始期(平成14年2月~9月)
2.ターミナル急変出現期(平成15年3月~4月)
Ⅴ.ターミナル末期
1.アセスメント概要
1)健康領域
2)安全領域
3)自立支援領域
4)安心領域
5)個別性領域
6)支援体制領域
2.ターミナル末期(平成15年4月:ケアプランに沿って)
Ⅵ.旅立ち;ターミナル臨死期(5月3日)
Ⅶ.本事例の評価
索 引