内容紹介
沖縄県立中部病院、天理よろず病院、熊本赤十字病院、岸和田徳洲会病院と救急医療、臨床教育、研修医教育面で定評のある施設で、外科医、救急医、心臓外科医として修練をかさねてきた著者による腹部救急の手引書である。多岐にわたる腹部疾患を診断、検査、各種疾患の解説にいたるまで、ERにおいて必要な範囲で340ページのコンパクトなボリュームにまとめている。とくに「腹部救急の勘所は、診断名にこだわらないこと。1/3は原因がわからないのである。まず致死的疾患を除外し、速やかに輸液や輸血など救急処置をおこなう」という基本的な姿勢や産婦人科、小児、高齢者、腹部以外の疾患、特殊な環境による疾患などER特有の診療に求められる記述が充実している点が特長。さらに研修医向けに書かれた「腹部救急診療の七箇条」「コンサルトするとき」「意識のない患者のみかた」「手術がなるために」など、研修医の生の疑問への行き届いた配慮がうれしい。
目次
前書き
2.バイタルサイン
3.年齢と性別
4.既往歴
5.手術歴
6.内服薬が誘因となる腹痛―「今何かお薬を飲んでいますか?」
A 薬剤性胃潰瘍
B 薬剤性腸炎
C 急性肝性ポルフィリア
7.何を食べたか?―最後の食事時間はいつか?
8.妊娠の有無,月経の周期
9.腹痛の位置
10.腹痛の性状・経過
11.下痢・嘔吐
12.吐血・下血
13.視診・聴診・打診・触診―その有効性,限界
14.病歴や各サインの感度と特異度,その有効性
付)「さしすせそ」で患者の日常生活の全体像を把握し,問題点をチェックする
2.検尿・検便
3.超音波検査―4→8法を使いこなそう
4.X線検査
5.CT検査
6.MRI検査
7.血管造影とTAE
8.心電図と心エコー
2.ヘルニア
A 鼠径部と近傍のヘルニア
B 腹壁ヘルニア
C 腰部ヘルニア
D 閉鎖孔ヘルニア
E 内ヘルニア
F 横隔膜ヘルニア
3.イレウス
4.吐血・下血
5.胆石・胆管炎・胆嚢炎
A 胆石と胆道系の急性炎症
B 急性胆管炎
C 急性胆嚢炎
6.膵炎
7.下痢・感染性腸炎
A ウイルスによる感染性胃腸炎―(1)ロタウイルス
B ウイルスによる感染性胃腸炎―(2)ノロウイルス
C ウイルスによる感染性胃腸炎―(3)アデノウイルス
D 細菌性腸管感染症―(1)カンピロバクター
E 細菌性腸管感染症―(2)サルモネラ
F 腹痛や下痢に関係する原虫症
G 薬剤性腸炎
8.腹部血管系の腹痛
9.泌尿器科的腹痛
A 睾丸痛をきたす病気―精巣(睾丸)捻転
B 尿路結石
C 尿閉による下腹部痛と下腹部腫瘍
10.肝硬変患者の腹痛
A 肝癌破裂
B 原発性腹膜炎
C ビブリオ・バルニフィカス
11.腹部の外傷
12.産・婦人科救急
A 骨盤内炎症症候群
B 子宮外妊娠
C 流産
D 卵巣嚢腫の茎捻転
E 子宮内膜症
F 排卵痛・排卵出血
G 黄体出血(卵巣出血)
H 月経困難症
13.小児の腹痛
A 先天異常―腸間膜回転異常,重複腸管,腸閉鎖・狭窄,鎖肛
B 腸重積
C 急性虫垂炎
D 嵌頓ヘルニア
E 幽門狭窄
F 消化性潰瘍穿孔
G 外傷
H 尿路感染症(腎盂炎)
I HUS(溶血性尿毒症症候群)
J ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
14.高齢者の腹痛
15.腹部以外の原因による腹痛
A 急性心筋梗塞
B 心筋炎
C 急性心外膜炎
D 砒素中毒
E 鉛中毒
F 急性肝性ポルフィリア
16.地方特有の疾患
A 毒キノコによる中毒
B 寄生虫症
C シガテラ中毒
2.診断に迷ったら
3.意識のない人,精神上問題のある人,認知症のある人の腹部のみかた
4.外科を目指す研修医に―手術が上手になるためには
腹部の触診のコツ・ポイント
感度と特異度
MRI検査を行う前の病歴聴取と注意すること
虫垂切除と困った場合の対処法
鼠径ヘルニア整復のコツ
小児・妊婦・高齢者の外傷
腸管出血性大腸菌感染症と溶血性尿毒症症候群
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
患者さんと家族への説明のしかた
潰瘍性大腸炎
クローン病
胆石によるイレウスもある(胆石イレウス)
メッケル憩室
メッケル憩室をめぐる 3 つの話題
膵炎をきたすと報告されている原因のうち既述した以外の要因
乳幼児嘔吐・下痢症
Guillain-Barre症候群
K市で1年間に発生した食中毒例
アメーバによる脳炎
嘔吐・下痢をきたす疾患=Gastroenteritisで記憶する
旅行者下痢症
非閉塞性腸間膜血行不全
虚血性大腸炎
卵巣過剰刺激症候群
妊娠反応を検査するに当たっての注意事項
タマゴテングタケとスギヒラタケ
内視鏡で胃を見て,アニサキスの虫体が見つからなかったとき
「夢のまた夢」
第1章 診断編
1.第一印象2.バイタルサイン
3.年齢と性別
4.既往歴
5.手術歴
6.内服薬が誘因となる腹痛―「今何かお薬を飲んでいますか?」
A 薬剤性胃潰瘍
B 薬剤性腸炎
C 急性肝性ポルフィリア
7.何を食べたか?―最後の食事時間はいつか?
8.妊娠の有無,月経の周期
9.腹痛の位置
10.腹痛の性状・経過
11.下痢・嘔吐
12.吐血・下血
13.視診・聴診・打診・触診―その有効性,限界
14.病歴や各サインの感度と特異度,その有効性
付)「さしすせそ」で患者の日常生活の全体像を把握し,問題点をチェックする
第2章 検査編
1.一般血液検査・生化学検査2.検尿・検便
3.超音波検査―4→8法を使いこなそう
4.X線検査
5.CT検査
6.MRI検査
7.血管造影とTAE
8.心電図と心エコー
第3章 疾患編
1.虫垂炎2.ヘルニア
A 鼠径部と近傍のヘルニア
B 腹壁ヘルニア
C 腰部ヘルニア
D 閉鎖孔ヘルニア
E 内ヘルニア
F 横隔膜ヘルニア
3.イレウス
4.吐血・下血
5.胆石・胆管炎・胆嚢炎
A 胆石と胆道系の急性炎症
B 急性胆管炎
C 急性胆嚢炎
6.膵炎
7.下痢・感染性腸炎
A ウイルスによる感染性胃腸炎―(1)ロタウイルス
B ウイルスによる感染性胃腸炎―(2)ノロウイルス
C ウイルスによる感染性胃腸炎―(3)アデノウイルス
D 細菌性腸管感染症―(1)カンピロバクター
E 細菌性腸管感染症―(2)サルモネラ
F 腹痛や下痢に関係する原虫症
G 薬剤性腸炎
8.腹部血管系の腹痛
9.泌尿器科的腹痛
A 睾丸痛をきたす病気―精巣(睾丸)捻転
B 尿路結石
C 尿閉による下腹部痛と下腹部腫瘍
10.肝硬変患者の腹痛
A 肝癌破裂
B 原発性腹膜炎
C ビブリオ・バルニフィカス
11.腹部の外傷
12.産・婦人科救急
A 骨盤内炎症症候群
B 子宮外妊娠
C 流産
D 卵巣嚢腫の茎捻転
E 子宮内膜症
F 排卵痛・排卵出血
G 黄体出血(卵巣出血)
H 月経困難症
13.小児の腹痛
A 先天異常―腸間膜回転異常,重複腸管,腸閉鎖・狭窄,鎖肛
B 腸重積
C 急性虫垂炎
D 嵌頓ヘルニア
E 幽門狭窄
F 消化性潰瘍穿孔
G 外傷
H 尿路感染症(腎盂炎)
I HUS(溶血性尿毒症症候群)
J ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
14.高齢者の腹痛
15.腹部以外の原因による腹痛
A 急性心筋梗塞
B 心筋炎
C 急性心外膜炎
D 砒素中毒
E 鉛中毒
F 急性肝性ポルフィリア
16.地方特有の疾患
A 毒キノコによる中毒
B 寄生虫症
C シガテラ中毒
第4章 応用実践編
1.コンサルトするとき2.診断に迷ったら
3.意識のない人,精神上問題のある人,認知症のある人の腹部のみかた
4.外科を目指す研修医に―手術が上手になるためには
スキルアップ
CRTのコツ腹部の触診のコツ・ポイント
感度と特異度
MRI検査を行う前の病歴聴取と注意すること
虫垂切除と困った場合の対処法
鼠径ヘルニア整復のコツ
小児・妊婦・高齢者の外傷
腸管出血性大腸菌感染症と溶血性尿毒症症候群
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
Side Memo
H2ブロッカーの開発,ヘリコバクターピロリ菌がもたらしたもの患者さんと家族への説明のしかた
潰瘍性大腸炎
クローン病
胆石によるイレウスもある(胆石イレウス)
メッケル憩室
メッケル憩室をめぐる 3 つの話題
膵炎をきたすと報告されている原因のうち既述した以外の要因
乳幼児嘔吐・下痢症
Guillain-Barre症候群
K市で1年間に発生した食中毒例
アメーバによる脳炎
嘔吐・下痢をきたす疾患=Gastroenteritisで記憶する
旅行者下痢症
非閉塞性腸間膜血行不全
虚血性大腸炎
卵巣過剰刺激症候群
妊娠反応を検査するに当たっての注意事項
タマゴテングタケとスギヒラタケ
内視鏡で胃を見て,アニサキスの虫体が見つからなかったとき
「夢のまた夢」