内容紹介
目次
Ⅰ ジェネラリストの診療方法 田中 和豊
1 ジェネラリストの診療とは?1)問題解決型診療
2)総合的診療
3)自立的診療
2 問題解決型診療―臨床推論の正攻法
1)方法論
2)4つのステップ
3 問題解決型診療―暫定的診断法(仮説設定過程)
1)「当たるも八卦,当たらぬも八卦診断法」
2)「直感的診断法」
3)「しらみつぶし診断法」
4)「系統的診断法」
4 問題解決型診断―確定診断法(仮説検証過程)
1)情報収集(証拠集め)
2)検証
3)裏づけ捜査―フィールドワーク
5 問題解決型診療―治療法,評価およびマネジメント
1)治療法
2)治療評価
3)マネジメント
6 Evidence-based Medicine(EBM)
1)ベイズの定理
2)マルコフ過程
7 総合的診療―鳥の眼
1)「総合的診療能力」とは
2)「総合的視野」の養成
8 人間的診療―画竜点睛 診療に心を入れる
9 体系的臨床医学教育プログラム
1)実現可能であること
2)研修医誰もが履修可能であること
3)単純なものから複雑なものへ進むこと
4)段階的に発展するプログラムであること
5)後期研修にもローテーションを入れること
10 ジェネラリストの大原則と専門性
1)ジェネラリストの大原則
2)ローテーション
3)ジェネラリストの専門領域
Ⅱ なぜジェネラリスト診療ができないか―失敗例から学ぶ 田中 和豊
1 患者の話を聞けない2 問診も診察もできない
3 診察が長すぎる
4 病歴聴取のフォーカスがずれる
5 問診と身体診察で診断を断定してしまう
6 形式に沿った診察しかできない
7 採血ができない
8 軽症でもすぐに専門医を呼ぶ
9 なんでもコンサルテーションする
10 よく理解しないで鵜呑みにして行動する
11 コンサルテーションのタイミングを間違う
12 患者が急変するとパニックになる
13 人に助けを求めない
Ⅲ ジェネラリスト十景 小泉 俊三
1 背景:ジェネラリストが求められる時代がやってきた2 プロローグ:ジェネラリストの医師像
―ジェネラリストとはどのような医師を指すのか?
3 十景:ジェネラリストの活躍の「場」
地域医療の現場で
第1景 家庭医の診療1:僻地・離島の診療所で働く医師
第2景 家庭医の診療2:田園型コミュニティの診療所で働く医師
第3景 家庭医の診療3:都会の診療所で働く医師
第4景 家庭医に求められる役割 その1:地域連携・在宅医療・緩和ケア
第5景 家庭医に求められる役割 その2:地域密着型急性期病院勤務医
病院医療の質的向上を目指して
第6景 病院総合医の役割 その1:診療(総合外来と総合病棟)
第7景 病院総合医の役割 その2:教育〔研修医と学生(卒前・卒後)〕
第8景 病院総合医の役割 その3:研究(EBM/診療ガイドラインと臨床研究)
第9景 病院総合医の役割 その4:マネジメント(安全管理/地域医療連携)
臨床医の枠を超えて
第10景 医療システム(制度)への関心:公衆衛生(予防医学・健康増進)/国際保健/医療行政
プライマリ・ケア領域の後期研修と専門医制度について
索引
共著者に総合診療のリーダーを迎えた理想のカップリングで、理論的にも深い内容になっている。
ジェネラリストに求められる診療とはいったいどのようなものであろうか?何の疾患かわからない軽症から重症の患者を診るにはどうすればよいのだろうか?
ジェネラリストを目指す医師が困っていることに、ひとつひとつ丁寧に答えながら、著者は本書で独自のビジョンを提示する。今白熱する総合医論議に一石を投ずる書。