内容紹介
要旨
薬物療法の進化により,進行がんを抱える患者も長くがんと向き合い,自分らしく日々を過ごせるようになった。その一方で,増加の一途をたどる医療費の問題から,高額な治療薬の使用を制限するような議論が進んでいる。しかし医療現場においては,患者一人一人の事情や価値観を踏まえた上で最善の治療を提供することが,治療の取り組みとしても医療者・患者の信頼関係においても「あるべき姿」ではないだろうか。医療経済や医療費の問題は単体で考えるのではなく,社会経済という大きな枠組みのなかで国民全体の課題として方向性を議論する問題であり,目の前の患者の治療とは別個に論じるべきである。日々,多くのがん患者・家族の声を聞く患者団体の立場として本テーマを考える。
目次
薬物療法の進化により,進行がんを抱える患者も長くがんと向き合い,自分らしく日々を過ごせるようになった。その一方で,増加の一途をたどる医療費の問題から,高額な治療薬の使用を制限するような議論が進んでいる。しかし医療現場においては,患者一人一人の事情や価値観を踏まえた上で最善の治療を提供することが,治療の取り組みとしても医療者・患者の信頼関係においても「あるべき姿」ではないだろうか。医療経済や医療費の問題は単体で考えるのではなく,社会経済という大きな枠組みのなかで国民全体の課題として方向性を議論する問題であり,目の前の患者の治療とは別個に論じるべきである。日々,多くのがん患者・家族の声を聞く患者団体の立場として本テーマを考える。